2014年10月01日

道しらば 尋ねもゆかん もみぢばをぬさとたむけて
    秋はいにけり (古今集・秋歌下313)
 −もしもこの美しかった秋が過ぎた道筋がわかるのなら
  追いかけて尋ねて行ってみようか…。
  錦のような紅葉を神々へのお供えにして、秋はもう
  去ってしまったのだ−

 竜田川錦おりかく
  神無月 しぐれの雨をたてぬきにして (古今集・冬歌314)
 −川面に映り込む色とりどりの紅葉。
  瀬を流れ、淀みに留まる数え切れないほどの鮮やかな紅葉。
  竜田川はまるで美しい錦の織物のようだ。
  神無月に降り敷く時雨が織り上げた錦だ−
 

かなり強引な意訳ではありますが…
こんな光景が見えるような気がします。
私はこんなに文字数を費やすのに、
歌人たちはたったの三十一文字で表してしまう。
タグ:古今集
posted by ひよこ豆 at 21:58 | 和歌