秋はいにけり (古今集・秋歌下313)
−もしもこの美しかった秋が過ぎた道筋がわかるのなら
追いかけて尋ねて行ってみようか…。
錦のような紅葉を神々へのお供えにして、秋はもう
去ってしまったのだ−
竜田川錦おりかく
神無月 しぐれの雨をたてぬきにして (古今集・冬歌314)
−川面に映り込む色とりどりの紅葉。
瀬を流れ、淀みに留まる数え切れないほどの鮮やかな紅葉。
竜田川はまるで美しい錦の織物のようだ。
神無月に降り敷く時雨が織り上げた錦だ−
かなり強引な意訳ではありますが…
こんな光景が見えるような気がします。
私はこんなに文字数を費やすのに、
歌人たちはたったの三十一文字で表してしまう。
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