梓弓(あずさゆみ)春たちしより
年月の いるがごとくもおもほゆるかな (古今集・春歌下127)
― 一年が始まって春が来て、
そのあとの季節の何と早く過ぎることか…
まるで弓矢が飛んでいくようにあっという間に年月は巡ってしまう。
惜しめどもとどもらなくに
春霞帰る道にしたちぬと思へば (同130)
― どんなに惜しんで引き止めたところで春はいつまでも留まってはくれない。
惜しんでいるその間に、春霞がついに帰路についてしまった。
2015年04月29日
posted by ひよこ豆 at 21:37
| 和歌