2015年05月06日

拾遺和歌集より、
三首…

 風吹けば方も定めず散る花を 
   いづ方へ行く春とかは見む (拾遺和歌集・春76)
 ―吹く風にはらはらと舞い散る花は、まるで春が舞っているようで、
  いったい、どちらの方向に春が去っていくのか見届けたいのに…
  風に踊り空に舞い、まるではぐらかすようだ―

 夏にこそ咲きかかりけれ藤の花
  松にとのみも思ひける哉 (同・夏83)
 ―藤の花は松に咲き掛かるものだと思っていたのだが
  なんと、春から夏にかけて咲きかかるものでもあったのだね―

 卯の花を散りにし梅にまがへてや
  夏の垣根に鶯の鳴く (同・夏89)
 ―真っ白く咲き誇る卯の花を、
  もうとっくに散ってしまった梅の花と間違えているらしいよ。
  夏の垣根で季節はずれの鶯が鳴いている―


posted by ひよこ豆 at 20:59 | 和歌